やさしい科学的天文講座
2023年度カリキュラム全4回のご案内
「時間と空間を紡いだ天体:銀河」
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第1回 レジュメ : 天の川銀河の発見
第2回 レジュメ : 銀河はどこまで広がっている?
第3回 レジュメ : 都会の銀河と田舎の銀河
第4回 レジュメ : 最初の銀河はいつできた?

———–ちょっと長い前置き————
実を言うと私は、「銀河系」という言葉が「天の川銀河」と同義語であることを、けっこう最近まで知らなかった。
系と言うからには、銀河の集まり、銀河の系統ぐらいの意味かとなんとなく思っていた。なので、その後わかった
「銀河系」という言葉がまさに固有名詞であることにちょっとした違和感を持ってきた。

今回手にした銀河の本に、説明があった。
『銀河系とは多数ある宇宙の銀河(galaxy) のひとつで、我々の太陽が属する銀河ということで、他と区別して
英語ではgalaxyのgを大文字で書きtheやourをその前につける(the Galaxy , our Galaxy)。
これに対して、日本語では銀河ではなく銀河系と呼ぶことにしている。
英語の「Milky Way Galaxy」 に対応する「天の川銀河」と呼ばれることもある。』
「銀河と宇宙 John Gribbin 著 岡村定矩 訳 より」

そうか、それなら納得である。が、やはりこの二つの言葉には、ちょっとしたニュアンスの開きもあるのではないか。
地球から空を眺めたときに見られる淡い光の帯「天の川」によせる情感をやや連想させる「天の川銀河」と
もっと淡白な学問的な?表現である「銀河系」。
とまあ、勝手なことを書いたが、これを機会に、銀河の発見の歴史をひも解いてみた。

1610年 ガリレオ・ガリレイが天の川銀河の発見
    自作の望遠鏡を天の川に向けて無数の星の集まりであることを発見

1785年 ウィィアム・ハーシェル
    天の川が 私たちの!銀河 の中からそれをみた姿だと気づく    
    体系的な観測から宇宙の形と大きさの解明に挑んだ
    直径6000光年 厚み1100光年の円盤系で太陽はほぼ中心にあった

1920年 宇宙の大きさと渦巻星雲をめぐる大論争
    シャプリー 直径30万光年 太陽は中心から離れた端に位置する
          渦巻星雲は星が生まれようとしているガスの雲
    カーチス  直径3万光年 渦巻星雲は莫大な数の恒星の集団であり
          島宇宙

1923年 エドウィン・ハッブル
    セファイド型変光星の発見により距離の観測を行い、大論争に決着
    M31アンドロメダ銀河は恒星集団のはるか外にある島宇宙のひとつ、
    すなわち銀河であることが明らかとなった
   
現在では、
「銀河系は私たちの太陽を含む1000億から数千億の恒星が集まった棒渦巻銀河で、真上からみると渦を巻いた形で
真横からみると真ん中付近が膨らんだ凸レンズのような円盤の形をしている。銀河系の大きさは直径10万光年、
太陽系は銀河系の中心から約2.7万光年の距離にある。」
と理解されています。

さて、銀河の発見に大きな役割を果たしたエドウィン・ハッブルにちなんで名づけられたハッブル宇宙望遠鏡は、
1990年にスペースシャトル・ディスカバリーによって宇宙へ運ばれ、地球大気の影響を受けない極めて鮮明な
画像を送り続けてくれました。エイベル370(太陽系から40億光年ある銀河団)により重力レンズ効果を鮮やかに
映し出し、また、「ハッブル・ウルトラ・デイープ・フィールド」では130億光年かなたの深宇宙を映し出しました。

と、やっと人類の英知はここまできましたが、まだまだ宇宙についてわかっていないことはいっぱいです。
たとえば、今日では銀河に代表されるバリオン(通常の物質)は宇宙のエネルギー密度に換算すると、全体の5%以下しかなく、
残りはダークマター(約27%)とダークエネルギー(約68%)であり、その正体は不明です。

さて、ハッブル宇宙望遠鏡もその役割を終えようとしていて、その後継機であるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が
2021年12月25日に打ち上げられ、2023年になり、ハッブル望遠鏡ではみることのできなかったところに存在すると考えられる
銀河がいくつか紹介されました。この望遠鏡によって見つかった87個の銀河のなかには、ビッグバンからわずか2億年前まで
さかのぼる可能性のあるものがありました。まさに「宇宙で最初期の銀河」の発見かと期待されています。

天文学は距離を克服する学問。過去の姿と進化を目のあたりにすることができる学問と言われます。
この銀河について、勉強してみませんか?

前置きはこのくらいにして、本題は伊藤先生にやさしくわかり易く講義をしてもらい、銀河の世界に浸ってみましょう。

やさしい科学的天文講座 2023年度カリキュラム
テーマ:「時間と空間を紡いだ天体:銀河」 全4回
日程:
1.天の川銀河の発見         2023/05/14 (日)  14:00~15:30
2.銀河はどこまで広がっている?   2023/07/17 (月)  14:00~15:30
3.都会の銀河と田舎の銀河      2023/10/15 (日)  14:00~15:30
4.最初の銀河はいつできた?     2024/01/28 (日)  14:00~15:30

場所: 伊良湖ホテル&リゾート セミナールーム、及びZOOM参加
人数: ホテル参加20名、ZOOMは制限なし
講師: 三重大学教育学部教授 伊藤信成(銀河天文学)
座談会と費用:講座終了後、ホテルでは、先生を囲んで座談会を行います。
      (座談会参加者の方のみ座談会用のティー代金として2200円をいただいております。) 
      また、天候さえよければ観望会も実施します。

講座のお申し込み先、連絡先
伊良湖ホテル&リゾート天文クラブ info@iragotenmon.club
伊良湖ホテル&リゾート 0531-34-2325
やさしい科学的天文講座2022年度カリキュラム 申込へのリンクです
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第1回 天の川銀河の発見
zoomミーティングURL 下記からアクセスしてご参加下さい。
https://mie-u-ac-jp.zoom.us/j/87917798937?pwd=OGF0RzFWOVFXd3UrejIvLzYwWFVUQT09 <https://mie-u-ac-jp.zoom.us/j/87917798937?pwd=OGF0RzFWOVFXd3UrejIvLzYwWFVUQT09
ミーティングID: 879 1779 8937
パスコード: Astro2023a

第2回 銀河はどこまで広がっている?
zoomミーティングURL 下記からアクセスしてご参加下さい。
https://mie-u-ac-jp.zoom.us/j/89359993434?pwd=a1NMaVAzOVQvMlRqTnB1MjE3aDVYZz09
ミーティングID: 893 5999 3434
パスコード: Astro2023b


第3回 都会の銀河と田舎の銀河
zoomミーティングURL 下記からアクセスしてご参加下さい。
https://mie-u-ac-jp.zoom.us/j/84558613552?pwd=RFpVRUZRTGlrc0FBM0ZvUFRhYXJ2dz09
ミーティング ID: 845 5861 3552
パスコード: Astro2023c


第4回 最初の銀河はいつできた?
Zoom ミーティングURL 下記からアクセスしてご参加下さい。
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