6月7月の観望会は、チラシのようになります。日程表はこちらを参考にしてください。 
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夜空の世界には、その季節を代表する存在があります。
この春でもない、夏でもない、という中途半端な初夏の時期に、「6月はこれだよね!」という存在。
それらを紹介していきましょう。

≪春の大曲線・春の大三角≫
北の空におわす北斗七星。
北斗七星の柄杓の柄の部分のカーブをそのまま伸ばすと、まずは、金色ともオレンジ色とも言われる明るい星に
たどり着きます。この時期、明るい星は他にないので、必ず目に入る星です。
これが【アークトゥールス】。(うしかい座)1等星より明るい0等星。
この曲線を更に伸ばすと、おとめ座のスピカに。さらに伸ばすとからす座に行きあたります。
この曲線を「春の大曲線」と呼びます。
また、アークトゥールス、スピカ、そしてしし座のデネボラを結ぶと春の大三角が出来上がります。
面積から言うと、冬や夏の大三角より広大な、押しも押されぬ立派な三角形が出来上がります。

≪アークトゥールス≫
明るい星が少ないこの6月の夜空で、圧倒的な存在感です。
その色は”金色”と表現され、ちょうどこの時期に収穫を迎える麦の実りの色をしています。また、麦農家の方が、
麦の収穫を終えて、疲れた腰を延ばして空を見上げた時に必ず目に入る金色の星。和名で「麦星」と呼ばれるのも
納得ですね。

≪スピカ≫
和名で「真珠星」とも言われます。真珠のような楚々とした美しさを放っている星です。一等星ですが、0等星の
アークツールスに対しては、かなり光度は負けますが、その美しい色は目を見張るものがあります。

≪この二つの星は夫婦星≫
さて、このアークトゥールスとスピカ。この二つの星は実は「夫婦星」と呼ばれています。今は遠く離れていますが、
実は6万年後には、二つの星は近づいて寄り添うようになる(地球からみた視覚上の話で、実際に広い宇宙の中で
寄り添うような位置関係になるわけではありませんが。)と言われています。それは星の固有運動というものが関係
しています。

≪固有運動。いったいどんな動きをしているのでしょうか。≫
夜空の星々は動かないように見えますが、実は、それぞれに固有の運動をしていて、何十万年、何百万年と言う
時間をへて、今の星座の形は崩れていきます。

アークツールスとスピカ、この二つの星をとってみても、二つは全く異なる動きをしていて、その結果として、
6万年後には寄り添うように地球から見える、という事です。

今現在の遠さ:アークトゥールス 37光年。スピカ 250光年。
スピカはアークトゥールスよりも圧倒的に遠くにあります。
アークトゥールスは現在、太陽系に向かって、猛スピード(秒速約120km以上)で突き進んでおり、数万年後には
地球に最も近づきます。一方、スピカは異なる方向へ動いています。

天の川銀河の星々は、その生まれた時期、生まれた場所によって、それぞれ個性はあるものの、基本的には、
銀河をとりまく渦に沿って整然と回転しています。スピカも同様です。
しかし、アークツールスはというと、この星は、他の星と違って、まさしく暴走しているのです。
1500年ほどで、月の直径2個分、動いたと言われています。そしてその動きは、銀河の円盤を縦断しているように
突き抜けて行っているのです。

≪アークツールスの特異性≫
ですから、6万年後にはスピカと寄り添うものの、その後は、いままでの勢いのまま突き抜けて行くので、50万年後
地球からは肉眼で見えないほど遠くへ去り、この二つの星は二度と会う事のない、一期一会のランデブーとなる、
という事のようです。という事は、ある一定の距離をおいて、段々(猛スピードで?)近付いている今は、
一番よい時間が流れているのかもしれません。

さて、動きの違いが分かったところで、何故このような差があるのか。なぜアークツールスは爆走しているのか?
それは、この星の産まれに関係していると考えられています。実は、アークトゥールスは天の川銀河で生まれた星ではなく、
別の小さな銀河(矮小銀河)からやってきた移住者であるという説が有力です。
数十億年前、天の川銀河が近くの小さな銀河(矮小銀河)を飲み込んだ際、その銀河にいた星たちは天の川銀河の
中へ流れ込みました。その時に搔き乱された星の群れが再び、銀河系へ戻っていく現象が星の流れのように
観測されていると解釈されています。これをスターストリームと言います。

   銀河系を取り巻くスターストリームの想像図               Credit:NASA/JPL-Caltech

天の川銀河も、数十億年後にはアンドロメダ銀河に飲み込まれると言われていますが、
確かに銀河の形は変わるけど、一つ一つの星は、そのまま生きながらえるのだろう、
ということは想像できますね。      

≪さて、次なる6月の代表選手:球状星団 M13≫
球状星団は数々あれど、その最高峰と言えるのは、まさにこの6月のM13です。
ヘルクレス座に位置し、南中するとまさに天頂に位置し、王者の貫禄そのものです。

球状星団とは何か。数万から数十万の老いた星たちが重力でぎゅっとまるでおしくら饅頭をしているように集まった
姿は、通常の望遠鏡では綿菓子のように見えますが、倍率の高い贅沢な機材で見ると、星がいっぱいに集まって、
煌びやかな豪華絢爛な姿を醸し出していることが分かります。

そして、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が遠方宇宙の探求に数々の成果をあげ、宇宙初期の銀河が注目される中、
これらの球状星団が宇宙の始まり近くの最古の時代から存在している、時代の生き証人で、これらを観察することは
宇宙の成り立ちや、できたてほやほやの宇宙を知ることができるとして、大変注目されています。
実は、天文クラブの今年度の「やさしい科学的天文講座」ののテーマが球状星団です。
宇宙の歴史そのものを語る存在ですが、まずは、その煌めく美しさに浸りましょう。 

≪最後に。6月21日は夏至です。≫
夏至は昼の長さが一番長い日であり、太陽の南中高度が一番高くなる日です。
では、日の出が一番早く、日の入りが一番遅い日かというと、そうでもないのです。
正確には、一番日の出が早いのは、6/13   4:24:35
           参考(夏至) 6/21   4:25:29
    一番日の入りが遅い日  6/29      19:01:10
                 参考(夏至) 6/21       19:00:16
この様にずれが生じるのは、地球の公転軌道が楕円であること、そして地球の地軸が傾いていることが関係しています。

といった6月の天文知識をバックグラウンドとして、この梅雨の切れ間の澄んだ空気の6月の夜空を鑑賞しましょう。    

                                                                                                            K.H.

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