南極の宙講演会場

■■ 講演内容の動画を掲載します  ■■ 自由にご視聴ください。3本に分かれています。



台風到来と言うことでお天気が気になっていたが、始まってみれば暑いような
残暑の中、13時過ぎより三々五々、参加者たちが集まってみえました。

gazeboの3階のラウンジ付近は、普段はテーブルと椅子のくつろぎエリアだが、
今回はこのエリアを利用し、映像はその壁をスクリーンとして映すという初めての
企画だった。初めての会場、設備の利用、zoomのホスト役と、実際に始まるまでに
かなりの時間のロスがありましたこと深くお詫びします。

南極までの行程は、南極観測船しらせは海路2週間をかけ、隊員は飛行機で1日
でオーストラリアへ。合流して南極へむかう。隊員の日常生活は結構楽しそう。
ミニコンサートもお祭りも。しかし、勿論、厳しいことは多い。
厳しさのNO1はブリザード。他国のことだが、居住棟の数メートル先にある目の
前トイレに行くことができず遭難し死に至った例もあるとか。
自然は美しい。そして過酷だ。

南極ならではの自然現象の話が続く。
地球影 氷山の蜃気楼 幻日 極夜 白夜
なかでも、極夜になる直前の太陽の動きや白夜の太陽の動きは「転がる太陽」と
して、一生のうちにはぜひ見たい光景だ。
オーロラ光学観測では、一眼レフデジタルカメラ(180度フィッシュアイ)、CC
Dカメラ等により、オーロラの発光強度と空間分布を観測されたとのこと。難し
いことはわからないが、会場で映し出されるオーロラの幻想的な世界に息を呑む
ばかりだ。オーロラの画像は星々と共に写っている。華やかな動きを見せるオー
ロラに対して、星は動かない。動かない星々は、主役のオーロラをひきたてる脇
役なのか、それとも、星々こそが真の主役で、華やかなオーロラが星々の存在を
際立たせているのか。ときには、流星も流れる。「流星を見たいのにオーロラが
邪魔になる。」なんて贅沢な世界。画像だけで、これだけ幻想の世界へ導いてく
れる”南極の宙”。実際に見ることが出来たら、その光景はいったいどのように
迫ってくるのだろう。

そして、始めて見る南天の空。
天の川が見える、ケンタウルスが見える。さそりが見える。そこまでは、いつも
と同じだけど、その姿は見慣れた姿と左右にも上下にもひっくり返っている。
そして、南天の名物?みなみじゅうじ、大マゼラン 小マゼラン がはっきりと
映像の中で確認できる。実際にこの空が見てみたい!

太陽活動は黒点の数に現れる。それはおよそ11年の周期で変化していて、当然の
ことながら、オーロラも太陽活動がさかんなときのほうが多く出現する。そし
て、無線の交信回数も太陽活動の影響をもろに受ける。今は、その黒点の数が多
くなるパターンに入った頃。これからがオーロラも無線も楽しめる頃。

そして、昭和基地アマチュア無線局。毎年5月5日には「こどもの日特別運用」
として、この無線局「8JIRL」と日本の子供たちが結びつけられ無線交信す
る。南極観測60周年記念局8J60HARE という局もできた。
しかし、基地の無線設備もブリザードに襲われ、毎回その修繕に追われる。

最後に「どうしたら隊員になれるのか?」
まずは、地球環境に関する専門分野を学んでいること
基地に設備を収めている会社に所属し、その企業推薦枠をもらうこと
民間からの一般公募枠もある。
試験(書類、面接選考)はもちろんあるし、健康判定は厳しい。20才も50才も判
定基準は同じ。なので、つまり年齢は考慮されないので、まずは健康な体を保持
していることが第一条件のようです。

そして、最後に、極限の自然環境の中で命を預けている仲間。
その仲間との信頼関係の大切さに言及され、講演は終了しました。
吉川さんの温かい口調がすべてを包括し素敵な空気を作り出していまし
た。お疲れ様でした。