2022年8月9月の観望会の日程をお知らせします。ご案内用PDFファイル

夏の星空の見どころは、代表的なところで次の3つでしょうか。

1.まずは、南の空に君臨するさそり座。そのお隣のいて座。
夏の夜に、真南を向いて見渡せば、赤く煌めく一等星が必ず目につきます。  
これは「アンタレス」。アンチ アレスで火星に対抗するものという意味で  
す。この辺りは黄道がとおっていますので、アンタレスも火星と接近すると
きがあります。そのときに、その赤さを競ったからこんな名前となったと 
か。
そして、その隣のいて座。まさにこのあたりが天の川の中心。いわゆる銀河のバ
ルジ(中心部のふくらみ)方向を地球から見ていることになります。
もこっとした天の川の中心。ここ伊良湖でも、条件がそろった日には、そんな天
の川を見ることができます。

2.夏の大三角。
天の川は、さそり座といて座のあたりから立ち上り、天頂付近を通ります。
まるで天の川の両岸にいる明るい星。ベガ(織姫星)とアルタイル(彦星)を分
断しているようです。七夕伝説ですね。そもそも、アルタイルは17光年、ベガは
25光年離れていて、さらにこのふたつの星も16光年はなれているので、年に1度
あうことも現実にはむずかしそうですが。
そのふたりの間にくちばしをはさむように、存在しているのは白鳥座のデネブ。
3つの星の中では一番暗いけど、なんとこの星は1400光年離れているので、
星の本来の実力(絶対等級)としては一番明るい星なんです。そして、そのさし
はさんだくちばしには北天で一番美しいと言われる二重星、アルビレオ。
トパーズとサファイヤ、あるいは韓紅色と瑠璃色と表現される、その色の対比を
味わいましょう。

3,さて、まだまだあります。
1等星がないのでちょっと地味ですが、星座の大きさとしては、一番をほこるへびつかい座。
あ、それは、今のへびつかい座とへび座をひとつのへびつかい座としていた頃の大昔の話です。
今は、へびつかい座とへび座は個々の星座とされ、なんと、へび座はへびつかい座によって、
その頭の部分としっぽの部分が分断されています。「とび地」の様な感じです。
へびつかい座は大きな将棋の駒のような形で、さそり座といて座の上に存在しています。 蛇使いとは、ギリシャ神話に出てくるアスクレピオスというお医者様のことで、 この人、名医も名医、死んだ人まで生き返らすほどでしたので、冥界の神ハデスの不興を 買い、亡き者にされ、その後星座にしてもらったとか。 蛇はアスクレピオスが常に持ち歩いていた杖に巻き付いていて、ちょっと不気味ですが、
脱皮を繰り返すことから、再生と若返りを意味し、はるか昔から医学の象徴だったのです。
WHOのマークにも救急車にも掲げられています。ちなみに、アスクレピオスの像はこんな感じ。
wikipediaより
wikipediaより
星座としては、へびつかいによって分断されたへび座とへびつかい座の絡みとか、あるいは、
黄道12星座に入り損ねた13星座目の星座として有名です。 さあ、夏はなんといっても、天の川。 夏の夜のちょっと涼やかな空気の中で、天の川を列車で旅する「銀河鉄道の夜」 の世界を味わってみましょう。   観望会のお申込みはこちらからどうぞ。