2022年12月、2023年1月の観望会の日程をお知らせします。 2022カレンダー12月1月

四季の星座と言われるように、夜空を形作る星座の移り変わりに、まさに四季を
感じます。

長らく空に鎮座していた夏の大三角はいよいよ地平線の下へ落ちようとしていま
す。はくちょう座は、西の空に墜落しそうな傾きですが、まさに十字架のように
も見えるので北十字と呼ばれます。ちょうどクリスマスの頃の宵、西の空に聖な

る十字架が現れます。ちなみに南十字は南天のものなので、残念ながらみることが

できません。

ちょうど天頂に存在感を表していた「秋の四辺形」ペガスス座も、ずいぶん西へ
傾きました。四辺形は羽をもつ天馬ペガススの胴体にあたります。その四辺形を
形作る1点「アルフェラッツ」は”馬のへそ”という意味なのに、所属としては
アンドロメダ座です。秋の空の象徴、アンドロメダ銀河も、250万光年という想
像を超える悠久の彼方へ宇宙のロマンを教えてくれます。

そして、東に目を向ければ、今年もまた冬の星座たちがやってきました。
冬の夜空に燦燦と煌めく、冬のダイヤモンド。
オリオン座のベテルギウスを中心として、リゲル、アルデバラン、カペラ、ポ
ルックス、プロキオン、シルウスというそうそうたる一等星6つが6角形を形
作っています。冬のダイヤモンド?冬の宝石箱?冬の雪結晶?
しかも、南の地域(北緯37度まで)では、さらにりゅうこつ座の南天の星、カ
ノープスまでこの辺りに見ることができます、カノープスは除夜の鐘が鳴るこ
ろ、ちょうど南の地平線すれすれに見ることができます。もちろん、伊良湖で
観察可能。中国では長寿の星と言われるありがたい星、カノープスをみることに
チャレンジしてみましょう。
一等星は全天で21、しかし、日本から見ることのできるものは、そのうち17。
その17の一等星のうち、8個を冬の空のここに集中してみることができます。し
かも、その星々は、赤、オレンジ、クリーム色、金色、白、青白とまるで音色の
ような色彩のハーモニーを奏でています。さらに、今年の冬は、12/1に地球に最
接近となる火星がここに加わります。火星、ベテルギウス、アルデバランとの
赤さの競演も加わり、この空は豪華絢爛。なんとも贅沢な星々の競演が見られる
ことでしょう。

また、満月がオリオン座の近くを通って行くのは、毎年12月ごろです。今年は
12/8が満月。森の狩人オリオンと月の女神アルテミスとの悲恋に心を馳せなが
ら、この満月とオリオン座の寄り添う様子を毎日鑑賞することも、また、乙な味
わいと言えましょう。

その他、下旬には、夕方の西の空に惑星たちの競演がみられ、12/14には年末の
風物詩、ふたご座流星群の舞い踊る流星を見て、12/30には月面を彩る月面Xを
観察し、今年の観望会の仕事納めとしましょう!