2月3月の観望会は、チラシのようになります。日程表はこちらを参考にしてください。 ご案内用PDFファイル
凛と張り詰めた空気の中で観察する冬の星座たち。
息を呑むようなその煌びやかさは、寒く凍える体で、ただ星たちと出会おうと空を仰ぎ見る者たち
にのみ与えられたご褒美なのか、とよく思う。
そんな豪華な冬の星座たちに加えて、さらに今年のこの夜空は、色々な惑星たちがその存在感をいっ
ぱいに示してくれるので、まるで無敵。星たちのオールスターキャスト!
夕方の空では、まばゆいばかりの金星が茜色に染まる夕方の空を独り占め。実は土星もすぐ近くに控
えている。肉眼では小さな存在だけど、望遠鏡で見れば、いつもどおり、その環が見るものを魅了
する。その環は、この3月から始まる「土星の環の消失」に向け、角度を私たちに垂直に向けているので、今は、まるで団子の串刺し状態。その櫛がさらにさらに細くなり、3/24にはついに見えなくなるであろう。しかし、あいにくこの時期、土星は昼間の空に存在しているので、幸か不幸か(?)
見ることはできない。5/7に再び土星の環は垂直になり、明け方の空で観察できる。夜空で土星の環の消失を観察できるのは、3回目の環の消失となる11/27となる。
宵の空では、豪華絢爛な冬の星座たちの7つの一等星が織りなす「冬のダイヤモンド」に加えて、そ
こに存在している木星と火星によって、いつもながらの「冬の大三角」は、シリウス、火星、木星の三者により冬の「”超”大三角」を形づくっているようだ。これは今年だけのお年玉。
星たちばかりではなく、オリオン大星雲では、その分子雲の中心に、輝く台形に並んだ「トラペジウム」など誕生したばかりの若い星たちが、羽を広げた鳥の羽にちりばめられた宝石のようで私たちを魅了する。
また、南の空の超低空に、全天でシリウスの次に明るい一等星、カノープスをこの冬の寒い時期、伊良湖では見ることができる。中国では南極老人星と呼ばれ、見ると長生きできるとかいう言い伝えがある。伊良湖は、その視界を水平線に囲まれ、このカノープスを鑑賞する絶好の条件だ。このブログの写真は、そのカノープスを映したもの。底辺の明かりの列は伊良湖水道に停泊する船の明かり。その左手の超低空に
ひとつの星が。それがカノープスです。
さて、恒星は北極星の周りをまわっているが、その回り方は、相対的な位置関係は保ちながらめぐっている。それに対して、惑星は、地球からの見えかたとしては、それぞれが独特の動き方をする。昔の人々はその独特のめぐり方をさぞかし不思議な思いで眺めたことだろう。だから、人の心を惑わす星、惑星。これを命名したのは誰?その感性に脱帽。
惑星の動きは複雑で説明しがたい。これをどうやって説明するのか。そこに地動説の暗くて情熱的な長い長ーい歴史がある。
美しい星を眺め、ただその美しさに感嘆するもよし、その星々から天文学の歴史に想いをはせるのもよし、はたまた、宇宙開発の明日への思い託すもよし。星たちは、何百光年、何千光年、何万光年の先から、我々に何かの感動を、その発する光に託してそこに存在する。
伊良湖天文クラブ 菱田恭子
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