イベントチラシのPDF
2022年の最大天文イベントは何といっても、11/8の皆既月食でしょう。
実は、この月食はただの月食ではありません。月食中に天王星食が起こるという
極めて珍しい現象が起こり、さらに全地球的にも日本は最高の観測地と言えるの
です。その記念すべき日を前に、確認しておきましょう。
★まずは、月食のお話。
昨年も、条件は今年ほどよくはなかったけど5月と11月に月食がありました。
月食は地球規模ではほぼ半年に1回おこる現象です。
伊良湖での観測という意味では、5月は完全に曇天となりましたが、11月はな
んとか観測することができました。
月食の度合いを示すものに最大食分なるものがあります。
これは、太陽、地球、月の三天体がどれくらいきれいに重なったか
(月が地球の影にどれくらい深く入り込んだか)を表しています。
三天体の重なり具合が完璧にひとつの中心のもと重なったら 食分1.9ほど。
三天体がすれすれに重なりなんとか皆既となった場合は、 食分1.0
皆既月食とはならず、部分月食にしかならないときは、 食分0~1.0
という数字になります。
例えば、昨年の11/19の月食は 最大食分0.978 で厳密には皆既と言えないけ
ど、ほぼ皆既だよね、といった感じでした。
この11/8の月食は 最大食分 1.364
このため、皆既月食となる時間が長い
部分月食も含め月食そのものは3時間40分(18:09~21:49)
皆既となる時間だけもなんと1時間26分と長い(19:16~20:42)
さらに、その観察できる時間帯が観察するのに適している生活時間帯となって
いることも、ありがたい!月食となっています。
月食の解説については、1年前の当ブログ「2021.05.25 月食を科学する」に
掲載しています。ぜひ、この機会に月食の成り立ちを確認しておきましょう。
https://iragotenmon.club/2021/05/25/scienceofmooneclipse/
★真打登場? 次に、天王星食のお話です。
さらに!今回の皆既月食が圧倒的に珍しいのは、皆既月食と同時に惑星食(惑
星が月に隠される現象)が起こることなのです。
惑星食自体は2022年においては4回あります。
金星食(5/27) 火星食(7/22) 天王星食(11/8、12/6)
しかし、昼間であったり(5/27)
すでに食の状態で空に出てくるので、低空であったり(7/22)、
北海道でしか見られない、しかも食で沈むので低空で観察に向かない(12/6)
など条件があり、実際には観察できるものはわずかです。
しかし、今回は「月食中の惑星(天王星)食」です。
通常なら満月ですから、そこに点として潜入する5.6等星の天王星は望遠鏡を
もってしても月の明るさでかき消されてしまいます。しかし、月食中の暗い月
ですから、みつけやすいのではないでしょうか。
日本で見ることのできる”皆既月食中におこる惑星食”がどれほどレアな現象
かというと、
前回は、1580年7月26日の土星食
これって織田信長が活躍していた頃でしょうか。
次回は、2344年1月31日の土星食
我々はすでに生きていない、どころの話ではないですね。
この天王星食がおこる時間帯は、20:34~21:21(名古屋)
天王星が月の南東面から潜入する瞬間と、47分後に月の南面から再び顔を出す
瞬間が、まさに今回の月食のハイライトと言えます。
国立天文台 資料
こんなチャンスを見逃してはいけません。
伊良湖天文台のタカハシのTOA150の望遠鏡で、この歴史的な瞬間を見ましょ
う。そして、写真撮影にもチャレンジしましょう。贅沢にも当日は、天文学芸
員 豊増伸治氏の解説もあります。
17:00~17:30 講座「月食って何?これはすごいぞ!皆既月食中の惑星食」解説
18:30~22:00 皆既月食、天王星食の観察
本文頭の、イベントチラシのPDFを参照いただき、ご都合のよい時間にご参加下さい。
ただし、必ず、予約下さい。