カノープス20230101浅田

中国の言い伝えでは、「南極老人星」等と呼ばれて、カノープスを見ると寿命が延びるとか、天下泰平になると見ることができ、争乱時には見えないとか、言われて来たらしい。

秦、漢、三国時代の首都「洛陽」(それ以外にもしばしば首都になってきた)は、大阪、神戸、豊橋とほぼ同じ緯度。
また、隋、唐時代の首都「長安(現在の西安)」は、もう少し南で、伊良湖岬よりほんのちょっと南、志摩や高松あたり。

洛陽や長安から見ると、カノープスは高度3度程度。見えるのは1月とか2月。
長安や洛陽の街を囲む塀の中からだと相当見えずらいかも。馬や兵士が郊外を駆け回っていたら埃で見えないだろう。しかも黄砂も飛んでいたのではないだろうか。

つまり、戦乱のない時代なら、寒い大陸内部の1月2月に郊外へ出て丘の上で、たっぷり着込んで火鉢で暖かくして、ゆっくりカノープスを見られる。しかも、戦乱がなければその分長生きもできるというもの。平安な時代が続けば、食料も十分確保できただろうし。
結構あっさり謎解きが出来ました。
日本でカノープスを見たからと言って、長生きにはつながらないですよ、皆さん。ただ、寒い1月2月に観望を行えるのは、そもそも健康な証。皆さん、長生きしてくださいね。

ローマ帝国はもっと北で、ほぼカノープスは見られなかったから、無視だったでしょうね。アテネも福島くらい北で、カノープスにはあまり興味なかったでしょうね。

カノープスの物理的特徴:見かけの等級-0.74、絶対等級-5.6、表面温度7500度、質量太陽の8倍、直径太陽の70倍、光度太陽の1万倍、距離300光年、リュウコツ座α星。

写真は、浅田先生からいただきました。著作権者は、浅田先生です。