3月4月の観望会は、チラシのようになります。日程表はこちらを参考にしてください。 
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観望会と直接は関係ないのですが、3月20日は「春分の日」。
国民の祝日でお休みにもなり、ちょっとうれしい日です。
そして、お彼岸の中日といって、お墓参りをする日でもあります。

しかし、この3月20日は、年によって21日の日もあったり、そもそもなんで祝日なんだろう?
とちょっとした疑問もわいてきます。

そこで、「春分の日」というものを考えてみました。

≪天文学的には≫
太陽のみかけの通り道である黄道(すなわち、地球からみたときの太陽の通り道)と、地球の赤道を
天に投影したときの天の赤道とが交差する点は二つあります。太陽が南から北へ向かって交差する点
が春分点、北から南に向かって交差する点が秋分点というわけです。また、この通過する瞬間を「春
分」「秋分」と呼び、その時間が含まれる日が「春分の日」「秋分の日」となります。

—昼と夜の長さが同じ日?—
また、春分の日(秋分の日)の太陽は、赤道の真上にあるため、世界中どこでも太陽は真東から昇り
真西に沈みます。そして、昼と夜の長さがほぼ同じになりますが、厳密には昼間のほうがほんの少し
長いのです。それは、大気による屈折のため、太陽の位置が実際より高くみえ、その分、日の出が早く
なり、日の入りが遅くなります。また、日の出日の入り時刻は、太陽の中心ではなく、太陽の上端が
地平線に接したときと定義されているため、太陽の視半径分、日の出が早く、日の入りが遅くなります。
その意味で、昼の長さのほうがちょっとだけ長くなります。

—春分の日はなぜ年によって違うの?—
地球が太陽の周りをまわる日数は365日ちょうどではなく、平均すると365.24219日です。
これは時間に直すと365日と6時間ほどで、つまり地球は365日と6時間かけてもとの位置へ戻ってきま
す。つまり、春分点を通過してから次に春分点を通過するまでの時間が365日と6時間となります。
ですから、2016年の春分の通過時間は3月20日の13時30分、2017年の通過時間は3月20日の19時29分、
2018年はさらにその約6時間後の3月21日1時15分となります。
このように、春分は毎年約6時間遅くなっていくのですが、どこまでも遅くなるのではなく、
そこに現代の暦、太陽歴がとりいれられた対処法があり、うるう年などで補正されていきます。
なので、毎年6時間ほど遅くなりながら、ところどころで補正が入り3月20日ないしは3月21日となり
続いています。ちなみに、2024年の春分は3月20日の12:06、2025年は3月20日の18:01となります。

≪歴史的な意味≫
もともとの起源は、「春季皇霊祭」と呼ばれる祝日だったのですが、それはいったん廃止され、1948
年に国民の祝日に関する法律が施行されるに及んで、「春分の日」と改名され新たに祝日に定められ
ました。その意味は「自然をたたえ、静物をいつくしむ日」とされています。この意味はなかなか世
間で知られていないような気がしますね。ちなみに、「秋分の日」の意味は、「祖先をうやまい、亡
くなった人々をしのぶ」とされています。お墓詣りに行く意味がよくわかります。

今年も3月20日は穏やかでほんわかと暖かい日になるといいですね。

さて、3月4月の観望会は、冬の豪華な一等星たちの競演とは趣が異なり、空気も星空も柔らかに感
じられます。万光年というはるか遠くに大小のふたつの銀河が合体しそうな姿(子持ち銀河 M51)や、
星団の産まれたばかりの星たちの新鮮なの輝き(プレアデス星団 M45)など、観察してみましょう。
今話題のポン・ブルックス彗星もみられたらいいですね。

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