4月5月の観望会は、チラシのようになります。日程表はこちらを参考にしてください。 
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凍てつくような空気の中で臨んだ華々しい冬の星座や星たちに比べると、
明るい星も少なく、春霞がかかったかのような柔らかな表情の春の夜空。
天の川の方向ではないので、星たちは少ないけど、でも、その代わり、その広い暗い空の彼方には、
銀河がいくつも眠っている。でも、それらは肉眼ではおろか、望遠鏡でもなかなか見るのは難しい代
物(しろもの)だ。観望会を主催する側としては、普通に見られるこれといった天体が少なく、案内
人泣かせの春の空ともいえるけど、でも、この柔らかな空気、柔らかな空のたたずまいが、なんとも
春らしくて惹かれる。

そんな春の柔らかさにその微笑ましさをなお増してくれるのが、ギリシャ神話に出て來るヘラクレス
の12の難行に出てくる動物たち。まるで啓蟄の、虫が穴から出てくるように、獅子、ウミヘビ、カ
ニといった動物が春の夜空に登場してくるわけだが、これらは普通の動物ではなく、言ってみれば化
け物の動物。その化け物の動物を、怪力ヘラクレスが苦心の上に退治してしまうわけなのだが、ここ
に出てくる、カニのカルキノスの話がなんとも微笑ましい。これらの登場化け動物たちは、ネメアの
森(本当にある?)のレルネの沼で仲良しだった仲間で、獅子、ウミヘビ、カニの中ではおそらく一
番非力と思われる、そのかにのカルキノスは仲良しだった獅子がやられるところをみて、いてもたっ
てもいられず、勇猛果敢にヘラクレスに臨んだ。しかし、結果は、あえなく撃沈。いちころにヘラク
レスにまた退治されてしまう。この化け物たちにもあった友情のような温かみをこのお話にも感じて
しまう。

それを憐れんで、あのヘラ!が、ゼウスの妻で嫉妬からいろんなことをしでかしたあのヘラが、これ
らのあえなく絶命した化け物動物たちを憐れんで、空に挙げて星座にした、というのが、なんだか、
微笑しい。

と、そんなお話にひたるこの春の夜空ですが、今年は彗星の出現で世間を賑わしています。

12Pポン・ブルックス彗星。
1812年に発見された周期70年の12P/ポン・ブルックス彗星が4/21に近日点を通過する。
夕方の西の空で4等級になるのではと言われている。それでも、さすがに肉眼では見つけられない。
双眼鏡で、あるいは伊良湖天文台の望遠鏡で視よう。写真に挑戦してみたらあるいは、
緒をひく彗星の姿を拝めるかもしれない。

2024.03.29 by ASADA
ホテル屋上天文台にて撮影

また、惑星はというと、連休中は細い月と土星、火星、水星が日替わりに接近する様子もおもしろい。
が、いずれも、明け方の空。ホテル宿泊なら、簡単にこれらの接近を見ることができる。

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