8月、9月の観望会は、チラシのようになります。日程表はこちらを参考にしてください。
なお、8/5 8/11 は参加者多数の為申し込みを締め切りさせていただきましたので、
あしからず、ご了承下さい。
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夏の夜空は、なんといっても天の川と夏の大三角ですね。

南の空に目をやって、まずはさそり座を見つけよう。まさに蠍を思わせる形のさそり座には、
蠍の心臓のあたりに赤い一等星のアンタレスがあり、きっと容易に見つけることができる。
アンタレスって蠍の心臓って意味かと勝手に思っていた。確かにアラビア語ではそんな意味
だそうだ。でも、英語読みとしては、anti Ares アンチ・アレス で「火星に対抗するもの」
あるいは ギリシャ語で ant Ares アント・アレスで「火星に並ぶもの」とも言われる。
私としては、同じようなニュアンスではあるけれど、その赤さを競っている様子が楽しくて、
がぜん anti Ares アンチ・アレス がいい!
人の心を惑わす惑星である火星が、アンタレスがいる黄道に現れて、赤さをほこり
アンタレスの存在をおびやかしている様が面白い。あいにく、この二つが並んだ様子を
まだ見ていないが、ぜひとも、見たいものだ!

さて、話はちょっと逸れた。
さそり座をみつけたら、その蠍のしっぽから黙々とまるで煙が立つ昇るように、夜空を
駆け上る天の川を見よう!この伊良湖では、南の水平線から、その雲は立ち上っている。
さそりのしっぽといて座の南斗六星の5番目6番目の星あたりから、夏の夜空を駆け上る
天の川。西洋の人がミルキーウェイと呼び、東洋の人が『川』と呼んだ天の川。それは
実は、私たちがいる銀河の姿だった。天の川のその先をたどれば、まさに天頂付近の
夏の大三角の織姫星と彦星の間を通り抜け、白鳥を泳がせながら、北の空のカシオペヤ座
へとつながっていく。

この壮大なるロマンを自らのファンタジーの世界に構築した人がいる。
宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」では、列車は銀河ステーションから白鳥停車場へと進み、
アルビレオ観測所を進み、南へ、さそり座の先の南十字星へと走って行った。
夏の夜に、クーラーをきかせた部屋で、この童話を読んでこの世界に浸る。
それが私の夏の恒例行事。そして、天の川を見上げ、この幻想的なファンタジーの世界に
浸ってみる。伊良湖では、南の空が暗い。そう、天の川を見るために。

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