ヘルクレス座τ流星群は、周期彗星SW3(73P/Schwassmann-Wachmann3)を母天体とする流星群です。
■結果:残念ながら、Meteor Showerにはなりませんでした。予想の範囲内ですが、SW3は大気圏への突入速度は速くないと見られていました。そのために、明るくなることができずに終わったようです。でも、日本時間2022/5/31 14:09から15:09までで、100個以上見られたと思います。衛星も十数機飛んでいました。
SW3の小史:
最初の発見は1930年。忘れられたような存在だったが、
1995年に600倍にも明るくなって肉眼で見えるスターとして再登場。
2006年には、70くらいの破片になって地球軌道を通過していった。
そして、今年の5月30日から31日にかけて流星群のピークが来るかもしれない。かもしれない存在なのだが、NASAを始めアメリカでは大いにTAU Herculidsとして盛り上がっている。アメリカ時間で30日深夜から31日未明なので、日本では昼前後となり肉眼での観測は不可能。日本ではほぼ情報もなしですが、新月でもあり、アメリカでの出現を期待して待っています。
Twitterなんかで、「TAU Herculids」として検索しておいて、情報を追っかけると、アメリカのプロとアマの天文家が凄い写真をアップしてくれるかも。実は、私もワクワクしています。31日の昼休みの時間は、Twitterくぎ付けかも。より正確な時間追加(アメリカ西部時間22時ごろ、東部時間25時ごろ、日本時間31日14時ごろ)
追加情報:The Virtual Telescope Project 2.0のWEBTVでLive 放送があります。31日13時から開始。
かつてのMeteor Showerで一番有名なのは、何といっても1833年のしし座流星群です。流星群は、毎年同じ時期に出現する定常群と、数年から数十年おきに活発に出現する周期群、そして突然活動する突発群の3つに分けられています。8月13日土曜日のペルセウス座流星群は定常群(今年は満月だからな)、11月18日のしし座流星群は周期群です。
今回のヘルクレス座τ流星群は、突発群でしょう。
【※下記文章において、2022/12/22まで、1833年を1883年と書き間違えていましたことをお詫び申し上げます。】
1833年のしし座流星群の世界一有名なエッチング画像を掲載しておきます。このエッチングの制作に関する研究をした人もちゃんといるのですね。Professor David Hughes University LEEDSがその人だと思います。
それによると、
この流星群は、1833年11月13日水曜日未明に主に北アメリカで目撃され、目撃者は大変な驚きと恐怖を覚え、「この世の終わりだ」「世界が火事だ」と泣き叫ぶ人々もいたとのこと。寝ている人も外が流星で明るいくなり目覚めるほどだったとも言われている。
そして、1887年、Joseph Harvey Waggoner(1833年当時13歳)が、スイスの画家Karl Jauslinにその時の様子を話した。Jauslinが絵を描き、その絵を見たAdoph Vollmyがエッチングを制作した。このエッチングが、1988年に出版され、世界一有名はMeteor Showerの画像になって、今日に残り我々が見ています。
Jauslinの言葉「その情景は恐ろしいとしか言いようがありませんでした。どんな激しい雨だって、あの時のあの降り注ぐ流星群程激しかったことなどありません。」
さてさて、TAU Herclids期待しています。またまた、アメリカに地獄絵が出現してほしいものです。
最初の画像は、WIKIからいただいた、コモンライセンスの画像です。下の画像は、著作権無しの画像です。
The world most famous meteor shower in 1833 and the etching of that.