12月11日(土)は、月面Xとふたご座流星群の両方を一日で観賞できる贅沢な一日。その上、デイナーの前には、さらにこの夜を彩るチェロコンサート「流星の夜」をお楽しみいただる、そんな贅沢なイベントを企画しました。
2021年12月11日(土)
講演 16:30~17:45 天文研究科 浅田先生の興味深い月、星のお話を
聞き、まずは夜の観望にむけての予習です。
食事 18:00~19:30 「フレンチ」「創作和フレンチ」からお選び下さい。
演奏会 19:30~20:10 月や星にまつわる名曲をチェロの艶やかな音色と
ともにお楽しみください。
観望会 20:30~ 浅田先生のガイドとともに、月面Xや流星の
観望をお楽しみください。
≪月面Xて?≫
上の写真をご覧ください。まるでXという文字を月面に描いたようですね。これは上弦の月(右側が満ちている半月)の頃、欠け際(月の明るい部分と暗い部分の境目)に、「X」状の光る地形が見えることをいい、天文ファンの間で話題になっています。月の満ち欠けとともに、毎月、見られそうな気もしますが、そう簡単なものでもなく、実際には、年に4回から6回見ることができます。
この月面Xの正体は、月面に広がる無数のクレーターのうち、ブランキヌス、ラカイユ、プールバックと呼ばれる3つのクレータの壁によってできた地形に、ある一定の角度で太陽の光が当たると浮かび上がる反射光です。したがって、月を見ることができる時間中、見られるわけではなく、約1時間程度の現象です。
残念ながら肉眼でみることはできませんが、20倍程度の望遠鏡なら条件が良ければ見られそうです。当天文台のタカハシのTOA150なら完璧!ぜひ、観望してみませんか。
≪ふたご座流星群≫
単に「流星」とか「流れ星」と言う場合と、このように「流星群」と表現する場合があります。その違いは、流星群とは天球上のある一点(放射点)から放射状に広がるように出現する流星の一群をいい、その放射点が天球上のどこに、どの星座にあるか、でしし座流星群とか、みずがめ座流星群とか言います。その数多くある〇〇座流星群のうち、安定して数多くの流星がみられている、いわゆる三大流星群として「しぶんぎ座流星群」「ペルセウス座流星群」「ふたご座流星群」があります。
それでは、流星群はどうどのようにしてできるのでようか?
そもそも流星の元となるチリは彗星ととても関係が深いのです。彗星の軌道上には彗星が通過したときに残していったチリがたくさんばらまかれていて、その彗星の軌道と地球の軌道が交差している場合、その交差点を地球が通過する日に流星群は出現します。だから、流星群は毎年同じ日にやってきます。流星とは、直径1mmから数cm程度のチリの粒が地球の大気に突入し激しく衝突し、高温になってチリが気化する一方で、大気や気化したチリの成分が光を放つ現象です。その交差点が地球からみて、どの星座の方向にあるかで〇〇座流星群となるわけです。
この流星群の元となる彗星のことを母天体とよんでいますが、ふたご座流星群の母天体は小惑星ファエトンと言われています。彗星ではないのですが、ファエトンの回帰において、少量の物質放出が見られ、過去に大量のダストを放出していたと考えられています。ファエトンは彗星と小惑星の中間的な特徴を持つ過渡的な天体と考えられていますが、詳細はわかっていません。
ということで、今年のふたご座流星群は、極大時刻は、12月14日16時、イベント時の12月11日(12日)は、少し極大日より早いですが、前後1週間程度は観望好機です。
さて、この星空の共演のまえに、この夜を彩るデイナーとチェロコンサートがプロローグとして登場します。
ディナーは、総料理長、鈴木の星空をイメージした創作フレンチ。そして、コンサート「流星の夜」が続きます。演奏は、愛知県立芸術大学、大学院研究科を卒業され、以後チェロの指導と演奏活動に従事されてきた森三千代さん。月や星などにちなんだクラシックやポップスの名曲を、チェロの艶やかな音色とともに、味わってください。